ヤマハU1A 昭和32年製 ピアノオーバーホール流山市K様
昭和32年製、これまた先輩ピアノが運ばれてきました
弦~ピンは年数相応、全く使えず、さび付きワイアーも響くどころか針金が鳴る、という感じに・・・・これからこのヤマハU1Aをオーバーホールしていきます
先ずは弦の張力を均等に緩めていきます
そして弦を外していきます
今度与えられる弦はレスロー(ドイツ製)
の最高級の弦
弦ピンを外したら
あらかじめ弦圧を測っておきます
弦がはずれ今度はフレームオロシ
50年ぶりにピアノフレームを止めてあるボルトを緩めます
このとき新品で打ち込む時間より抜く作業の方がはるかに時間はかかります
やはりボルトがさび付きにより
ピキッと折れてしまいました〜〜〜
残念〜
さあみんなでフレームをおろしていきます
フレームだけでも100キロ以上はあります
やっとフレームが降りました、古いピンブッシュを抜きます、このときに裏側から抜くのがポイント
ピアノ鉄骨のチェック
フレームも再塗装されますそのために
細部にわたり綺麗に油分を落とします
フレームボルトが折れた部分の修復
穴を刻みウメキを施しもう一度穴を開けていきます
新品に塗装されヤマハU1Aのフレーム(鉄骨)
古い響板ニスを落とします、ここまで年数経つとニスが切れてべとべとになっています
綺麗にし響板を再塗装してリフレッシュ
ナンカ昭和初期の松竹の売れない映画のプロマイドみたいだ
新品のブッシュを打ち込みます
響板も新品に塗装されました
仕事~サーフィン仕事^サーフィンの繰り返し、でばてばて
外したプレッシャーバー
のネジも磨いていきます
このようにタマを造りながら
張って行きます
ヤマハの初期型足ふみ式オルガン
レスローの弦が与えられご機嫌なヤマハU1A
ペダル突き上げ棒の通るホールの穴の
クロスを交換
アクションボルトの磨き
プレッシャーバーの取り付け作業
取り付け角度をせいかくに
バランスキーピンとフロントキーピン磨き
ウルトラ手作業です
こういう見えないロッド系も綺麗に磨き上げると、ペダルを踏み込んだ感触が変わります
ハンマー交換
鍵盤ブッシングはレンナーカシミヤに
交換、とても贅沢な仕様だ
ハンマー交換、このときに第一整音を施してからハンマー取り付け角度
弦当たりを調べ正確に付けていきます
角度が1ミリ違うだけでも全く音鳴りが変わってしまいます
弦に対して正確な角度で接着、その前のシャンクの走りも当然見てからの作業です
このクロスレンナー(ドイツ製)は結構いいクロスだ
国産のぼわぼわしているクロスと違い
目がとても綺麗だ、当然持ちも違う
また価格も全く違うのでやや高めだが
鍵盤バランス磨耗を余儀なくされるとこにより
ここはやはりいいもののほうが後々安心だ
部品の地味な所をサポートするブッシングクロス
このように厚さがいく種類もあり
使用頻度の大きさによりジャストフィットするクロスをチョイスしていきます
接着剥がれを全てチェックしていきます
ヤマハ系の古いタイプはジャックフレンジとウイッペンの接着ハガレが発生するケースが多い
でもって一度全てのウイッペンをレール部から取り外し
細かくチェックし1個1個ハガレがないかを確認していきます
シャンクローラーでシャンク部分を均一に殺していきます
響板の古い松脂の色をしベトツキのあったニスは
落とし新しいニスに変更。
これだけで音はグンと伸びが出てきます
弦はレスロー(ドイツ製)を仕様します
ピアノは直せば使えるように出来ています
日本では買い替えが主流ですが。
ヨーロッパでは直して使うことが当たり前
ピアノは普及したが直して使う、という言葉が輸入されていなかった
ネットの時代お客さんが直るんだ!ということに最近気が付きはじめた
のがメーカー的には面白い話ではない。
直せないようにコスト削減の道をひた走るのか・・・・・・・・・・
・・・・・・・そうなったらね〜
みんなヨーロッパのピアノ買うんじゃないかな
ボルトの高さは正確に!
ここが狂うとどえらいことになる
私に任せなさい〜〜〜〜〜〜
1個1個の部品の動きを確かめながら確認し整備していきます
もう一度全てを外して微調整
ヤマハピアノU1A2Pの外装再塗装
生まれ変わる50年物。
前パネルの再塗装
腕木の塗装
鍵盤蓋内側の塗装
調律中になんかへんなおとがするなー〜〜とあちこち見ていたら
棚板がぱっくり割れていて雑音が発生しているのを発見
ハンマー整音整形〜
何度も何度も納得いくまで手を加えていく
時間ならたっぷりあるわけで
そりゃ十分に手をくわえることが出来るので
いいものに仕上がります
ピアノ鍵盤蓋の塗装
ヤマハU1Aの塗装
塗装を施し乾燥して硬化
水研ぎの世界、ここがプロの見せ場
上前パネル新品になりました。当然ですがぴかぴかです三つ窓がさらに映えます
ほぼ完成の域に達した50年前のピアノ
新品に生まれ変わってかっこいい
今こういうデザインはないのでとても新鮮だ
音色パワーも音伸びも十分
完璧に仕上がったヤマハU1A