ショーンベルグ    相模原市 S様
ショーンベルグピアノ 既に50年以上経過、各部に皮はがれや虫食いその他ぼろぼろの状態で入荷してきました
外装はそのままで中身を直す、出来るだけ既存のアクションを動かしたい、そんな気持ちでがんばります
そのまま弦はずしプレッシャーバーはさび付いていて回すと折れそうです
アクションは膠切れで触るとぽろぽろ剥がれ落ちてきます
アクションフェルト類は既に死んでしまっていますね
膠切れを起こし剥がれ落ちた
ウイッペン部品のヒール部分
スプリング系は完全にスプリングの機能を果たして折らず
ただの針金と化していますね
鍵盤象牙、部分部分アクリルに張り替えてあるのが悲しい
アクションは相当な直しが必要ですね
時間はかかりますが直ります
弦はずし、張力をユックリ緩めていきます
響板に負担がかからぬように緩めます
ホコリ削除
修理に戻る
ピアノ修理の面白い所は予想もしなかったところが壊れていたり、吹っ飛んでいたり
剥がれていたり、これまた頭を抱え悩まされたり、苦しめられたりすることでさらにヤル気が倍増する
ここ2~3年持てばという直し方はダメ、ずっと持たせるために請け負った大切なピアノだ
まだ息は吹き返していないデッドな状態だ、それまでに緻密な直しが施される
今この状態でまともなところは少ない
年数経過とともに朽ちたりはがれていたり
とピアノの形こそしているが到底使えるものではない
こういう直しはとても面白く
勉強にもなる、毎度「どうやって直すのか」と頭を抱えてしまう場面も何度も遭遇する
古いチューニングピンを抜く作業
ピン板をいためることなく抜かなければならない
ピアノ本屋井を寝かし部品のもろさを感じながらあちこちチェックしながらクリーニングしていく
プレッシャーバー、ピアノの弦をものすごい力でフレームに押し付けていたプレッシャーバー60年ぶりに一気にはずすのだ
このときにプレッシャーバーを押さえ込むビスがさび等でもろく
まわすと途中でぽきりと折れる
折れるとそりゃもうめんどくさい作業に一変する、1本抜くのに30分はゆうに要するような作業になってしまう
そのためにドライヤーで暖めながらビスを抜いていくのだ
1本2本で押さえ込まれているわけでなく数十本単位だ
キャスターもチェック
何とか1本も折れることなく抜いたプレッシャーバーのネジ
プレッシャーバーも無事取り外し成功
第2弾の難関
底板のビス抜き
ここもさび付いていて回らなかったのだが何とか取り外し成功
いんや〜〜まいったなっぺ
オーバーホールをするに当たりよく「簡単なんですか〜」とか「よく直せますね、マニュアルでもあるんですか」とか聞かれるがマニュアルは確かにあるが、何も使えない文章のみの学校用教材みたいなやつ・・・・そんないいマニュアルがあれば今すぐにでもほしい、といいたい、毎日どうやって直すかじっと部品を見極め、眺めてはため息をつく
ほとんどピアピットは毎日こんな感じの繰り返しでして
ナベサンに聞けば「人間が作ったんだから直るべ」とと返事が来るくらいだ
深いところから見れば大体のピアノの状態が把握できることは重々承知しているのだが
毎回状態が違うピアノがどかどか入荷してくるので、傾向と状況を照らし合わせるところがとても大変なところだ。絶対に直す、というところはオーナーさんの思いが痛烈に感じ取っているからだ、やる気はまずそこから来るもので面倒盛りたくさん承知で
お受けしている、中古ピアノでも買われたら私たちの負け、そこからも闘志がふつふつとわいてくるのだ、



そんなこんなのピアピット本日もコメさんじっと部品とにらめっこで苦笑い
底板ペダル部のからくりに付くビスもほとんどさび付いている
これらも全て新品ビスのほうが安心だ
古いピンブッシュを抜く
ペダル組み上げ底板を本体に取り付ける、底部分をとめてあるビスも全て全滅
新品に交換されます
駒ピンも指で持ち上げるとスポンと抜けてしまうくらいになってます
うめきを施してから穴を開けなおし駒ピンを打ち込みなおします
駒ピン穴あけ
新品ビス
底板取り付け
弦張り込み準備
磨かれたプレッシャーバー
弦はレスロー製(ドイツ)を使用します
職人の業、実に地味な気の長い作業だまさに精神修行みたいな弦張り作業
何十台も一年で張っていれば慣れはするがいかんせん気乗りしないときは張るのを断念する、急ぎ張りは禁物、別に速度を云々言うところでもないので
のんびり張り込む事が大切なのだ
プレッシャーバー角度が決まっているので
均等にユックリ締め上げていきます
レスローの弦が張り込まれた、早く音だしが待ち遠しいが
一番の難関はアクションにあり、か
難関象牙修理
古い膠をかきとる
ほとんどが膠切れを起こしている象牙鍵盤
アクションの緻密な修理、あっちこちのスプリングバネも触ると折れるもろさ
アクションのオーバーホール
ロッドの磨き
全ての部品を1個1個細かくチェック,実に気の遠くなるような作業が延々と続く
とにかく膠切れが数多く発生見た目にはわからないので、実際にさわって確かめるしかない
ハンマー第一整音
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象牙欠落箇所多し
いんや〜〜〜笑うしかねえっぺ
鍵盤貼り込み用治具を使って修理します
全て分解したピアノのパーツ直しては1個1個また同じ場所に取り付けていく。
ウイッペンのヒール部分の脱落、これは膠切れによるもの
古いピアノは
メーカー関係なくこうなっているケールが多いんです
やり遂げた感で放心状態になるコメさん
それで終了したわけではない、次から次とピアノの重症患者さんが運び込まれてくるピアピット
鍵盤ナラシ作業