オットースタイナーピアノ修理オーバーホール、 西大井K様
オットースタイナー、調べると福島県で作っていたような事が書いてあるがそれ以上の詳細はわからない、
ピアノ自体は丁寧に作りこまれているのは確かだ、しかし50年以上も経つので当然あちこち悪いところは出てきても当然といえば当然
このピアノは渡辺ピアノ調律所(都内で活躍されている)さんのお客様のピアノ、入荷前に調律掃除までしてありこちらとしては各部チェックの際は見やすく
助かっている、通常は買い替えの対象になってしまうところで救われた、これも渡辺調律師さんの機転もあるだろう
今ではこういうピアノを直すより買ったほうが。。。。。。と必ず言われるピアノだ、
しかし奥様の愛着度もあり、再度2度目の生まれ変わることが出来そうだ
ピアピットでもう一度再生し新たに、さらに愛着が増すように調整等もしっかりやらなくてはならない
今度はお嫁さんに可愛がってもらえそうだ〜〜幸せなピアノだ
今月は何十台も処分ピアノ廃棄の道をたどらざるおえないピアノを見てきた
直せば直るのに。・・・・・しかしどうしようもなく焼却されてしまうのだろう,いつも悔しい思い
で出している、これだけは何とか逃れる道はないのか、と数十年考えているが、いまだ
解決策はない
クラックが入っている外装
弦圧いきなりマイナス〜〜この調律は大変だったに違いない
チューニングピンはゆるゆる、完全にOUT
弦はずし
抜かれたチューニングピンはどれもサビサビだ
磨きで綺麗にはなるがやはり割れのところはやや気になるかも
前パネルに入っているひび割れ
鍵盤蓋〜妻土台は塗装されますがその違いはつけてから見ないとわからない
果たしていかに、各部われが発生しているところが多い
磨くと綺麗にはなるが部分によって割れひびが気になるところあり
下前パネルややひびが入っているがそう気にはならない
タッチが重い〜このセンターピンから来ているケースが多い入荷時かなりヘビーな感じで弾きにくくこれでは楽しくないので、やはり快適にするためにセンターピンを交換する
カビしみで部品状態も良くない
ウイッペン〜バットまでのセンターピン交換
底板部分も真っ二つに割れています
まっつぷたつの底板
棚板(鍵盤が乗っているところ)をはずす、
キャスターを取らないと棚板がはずせない
棚板下底部分も割れている
ここは雑音の原因にもなるのだ
フレームボルトをすべてはずしていきます
フレーム下の響板はこのようにわれが入っています
これだけ割れていればそれはもう終わりですね。直さない限りいい音は望めないのだ
この穴はチューニングピンが差し込まれている穴
穴に沿って割れている、これでは調律は不可能に近い状態だ、
ピン板、響板が割れていれば既にピアノとして使うことは出来ない
確実に補修しないと弦を張り込んでも意味のないことになってしまう
弦をはずし、フレームも降りれば響板にかかる張力はゼロということになる、弦が張り込まれているときは張力圧で割れているところでも開いてこない
押さえ込まれているために私たちでも弦が乗っているときの割れの小さいものは見分けることが出来ない
ピン板割れの修理
駒ピン折れ発見
絶対にあると確信していた、やはり
響板われの修理、傷口を大きくティーパーに掘り下げていきます、
われに合わせたスプルースを用意します
埋め方はただ埋めるのではなく、ティーパーに削りハンマーで肉部分を軽くたたいて圧縮します
ボンドはタイトボンドを使用し、その水分でたたいて圧縮された木材の膨張で木目割れ部分に十分圧着するように埋め込みます
駒が浮いていますね〜〜〜はがれかかっとります
タイトボンドはやや乾燥が速いので加工しやすいのが利点と
普通のボンドに比べて強力なんです
ピアノの修理オーバーホールといえば弦~ハンマー交換中心に展開するのがセオリー
それがピアノをピアノらしく生かせることは確かだ
ピアノは年数が経つ事と弾くことによりどんどん磨耗劣化してくる
劣化等の原因で多くの人は音鳴り、運動性の劣化を実は何よりも改善したいと思っているのと、買い替えなのかな、と思っているハザマであれやこれや考えるうちに
後回し〜〜〜ではないだろうか、「別に音大に受験するわけでもないから・・・・」
という人でも余裕のあるピアノの響きには魅力を感じているはず、
半世紀となったピアノにとってほとんどがクタクタがたがたを感じている
そのストレスを解消してくれるのがOHというわけだ
たとえ既存のピアノにチューニングを施しても(弦ピンそのままで)到底オーバーホールを施されたピアノとはレベルのの違いも明らかにわかる。
今まで直す直しますというような日本のピアノ事情は調律以外に表に出なかったところかもしれない、今はだんだん直して使うというユーザーも多く。これらもネットのおかげかもしれない、でいまだに買い替え消費大国日本でもまだまだちびっとにすぎない
この部分はピアノフレーム、弦が張り込まれた後ではどうしようも、手が入らないところである
しっかり直さないと大変なところ
新春2010年今年もよろしくお願い致します
ミドルエンド駒
割れ発見!というかほとんどこの年代のピアノは
われが入っているのだ
このピン1本ダメでも調律は不可能となる
新品のピンを植え替えればOKという問題ではなくえらい面倒な作業となる、
古いピンブッシュを抜いていきます
オットーシュタイナーの外装
曇ってしまっている
二つに割れた底板を接着します
掃除と分解作業、ペダルも一度はずし磨きにかけます
ペダルの磨き、真鍮製です
何度でも磨き可能!そうですね肉厚の真鍮なので
100回ぐらい磨けるでしょうね
駒修理〜ミドルエンドの駒ピン、
端に位置するために弱い弱い、ここに3本弦が乗っかってくるわけだが、3本で240キロ、1本当たり80キロの張力で張り込まれているのだ
端に位置するところその向こうはフレームが食い込んできているために、駒はそこだけえぐりとられている
古いピアノはメーカー関係なくこの部分は以外にやられているケースが多い、
駒用埋め木材は同等の比重と硬さ強度が求められてくる
治具を使いぶな木から抉り取る、この部材はよく仏様を彫りぬいたりするときに使う、今ではぶな材は希少な木になってしまった
フレーム塗装
うめ木用にぶなからくりぬく、そしてローラーで圧縮させる
そうすることにより表面にでこぼこを持たせる、そこにタイトボンドをつけ
ハンマーで埋め込んでいくボンドの湿気でふくらみ圧着、より強力なウメキを作る
やや明るめの金粉で塗装
屋根部分、傷に覆われつやもなし
ペダル窓部分こちらもまったくつやも無し
張替え前のペダル窓クロス
カシュウの磨きはこのようにヤニがベットリ
とつくのだ、かぶれやすい人は注意
駒割れ修理と駒ピン交換
プレッシャーバーのねじ折れ、折れたねじを抜く作業とうめき作業
うめき、もう一度穴を開けなおしプレッシャーバーのねじを取り付けていきます
響板われ、まだ出るだろうとフレームを収めず残しておいたら、案の定やはり亀裂が浮き出てきた
フレームボルト磨き、さびが進んでいる、メッキが落ちない程度に磨き上げる
フレーム裏側を磨くというかさびを取らなければならない
待ちに待ったフレームがやっとはいる
そり、ゆがみがひどく。ほって置くと割れていない、場所もわれ始める、反り始める
時間はかかったがやっとここまでこぎつけた、これでやっと弦を張り込む準備が出来た
駒ピンが折れている、この修理でも時間がかかるのだ、
たった1本に数時間掛けるわけで作業はまったりと進んでいく
チューニングピンブッシュの計が国産どのメーカーのものも合わない
アメリカからの輸入まちでここ7日ぐらいでつくとの事
チューニングピンブッシュ、アメリカから到着
早々にうちこむ、そうするとやっと弦が張り込める
今日も弦張りの義治氏
バス弦も張り込まれたオットーシュタイナー
写真は前後になるがチューニングピンブッシュの加工、アメリカから取り寄せたブッシュ.直径はぴたりと収まったのだが高さがぜんぜん
高い。そこを高さをそろえなくてはチューニングピンが打ち込めない、
高さをわずかに下げる、そのために治具を作るところからはじめなければならない
下の写真の様にたこ焼きのような穴をいくつか開けその木ツライチまで削るのだ
削るといっても、このブッシュとんでもない硬木で煙が出るんじゃないか、ぐらい削りこまないと平らにはならない
たったこれだけと思うかもしれませんが、この高さの違いで
ゲン〜ピンの打ち込みができません
230個のブッシュをセクションごと高さを測定して削りこみ
去年映画「女の子物語」の主題歌「タオ」
なんとピアピットがPVに、うれしい限りでいい思い出になりました
アクション
修理
分解前のタッチは格段に重くすべてのセンターピンがさび付き動かなくなっている
1個づつウイッペンをはずしセンターピンを交換して元のセンターレールへ戻していきます
きれいになるのはいいがやはり亀裂が目立つのか。
象牙鍵盤きわぞり
鍵盤蓋奥まるピアノ塗装準備
ナベサンが描くチューニングハンマー
掘り起こした傷
ダンパー取り付け
どんなにキレイに削ったとしても細かな凸凹は必ずある、またピアノの曲線ライン
のエッジ~カーブを元通りにするのは至難の業。そんな細かな凸凹の穴埋めや曲線ラインはパテを盛って成形することになる、ところがパテでもとどおりの形状を再現するのは結構難しいのだ平面はひずみやすく曲面は平らになりやすい
パテはもって削りの繰り返しだ根気の勝負ですね〜〜〜このためにじっくり時間をかけて取り組むのが肝心だ。また凹みの度合いにより程度に応じて適するパテは異なる
補修が進めば当然凹みは小さくなってくるためにその時の凹み量に応じたパテを選定
使用しなければならない数種類のパテを併用して仕上げていく作業なのだ