カワイNO600 グランドオーバーホール 市川市T様
カワイNO600  これは50年近くたっているGPさすがに弦~ピンはさび付き針金状態の音になっている
断線も難解も繰り返している、フレームの高音部弦を押さえ込んでいるベアリング部分に弦溝が出来ている
この当時のNO600はこれがなかなか音がいいのだ、その後期モデルはKGシリーズに変わり高音部音が伸びなくてあまりいい評価を得られなかった
とにかく弦錆びが多くオーバーホールの時期を超えているピアノ
オーバーホール後の鳴りは期待できそうだ
ピン弦は確実に錆びている
ダンパーフェルトのフェルトも硬化。音の止まりはすこぶる悪い
これらも新品のフェルトに交換
響板もほこりにまみれて汚い、
弦〜ピン抜き作業
50年間お疲れ様でした〜
50年ぶりに張力を緩められるNO600
このピアノはいったんこれで任務完了、次は完全に生まれ変わるNO600
ダンパーアッセンブリをはずしていく
ダンパーブロックにネジが・・・・・
恐らく止音のために重りの意味でつけたのであろう
いつつけたは不明
しっかりとピントルクも十分にあるNO600
修理に戻る
ピアノフレームを上げる、ところ、GPのフレームはかなり重量も横綱級、とても一人二人ではおろすことはできないのだ
NO600のフレームボルトを緩めていきます
みんなでフレームを一気におろします
手をはさめば骨折、足の上に落とせば骨折
緊張する一瞬です
無事フレーム下ろし完了
共鳴板は数十年のホコリに覆われてしまっています
アグラフ等は真っ黒に変色してしまっています
NO600ペダル分解作業
ペダルボックス
ボックスも分解して細部にわたりホコリスラッジ等削除してから
組み上げていきます
弦圧がマイナス状態に陥っている
これではまったく響かない、NO600、相当な弦張力
数十年も経てば響板は落ち込む、もう一度響板にムクリを与えなければ到底響いてもくれないのだ
この棒がピアノの響きに多大な影響
を作り出している、フレーム位置を制御するところだ、わずかに削り込む事で駒にかかる弦圧を作り出す、
ペダルロッドの磨き
アクションも相当に使い込んでいるジャック〜ローラー関係はかなりすっりへってしまっていますね
響板上でのまずは駒の修理この部分は絶対に修理をしなくてはならない
音を伝えるべく駒ピンの抜けわれ。直さないと調律のたびにすぐ狂いが生じる
直すのはかなりの手間なのだ
ぶなの木でできているこの当時の駒
かたぎで埋木をするためにほぞ穴を開けます
ほぞ穴用に作られたぶなの木で埋木を作ります
シャンクローラーを使い埋木棒を殺していきます
駒ピン修理
このようにデータを元に作りこまれていきます
ビスとめした穴も綺麗に埋木を使い埋め込んでいきます
キーバックレールクロスの交換
駒仕上げ
フレーム塗装準備
鍵盤あわせ削り
カワイNO600GPフレーム塗装
NO600のフレームを本体に戻します
元の製造番号を入れていきます
オーらいオーライオーライ
駒圧着 弦が駒から浮くと唸りが生じたり
発音しても響板に伝わらない
ハンマー第一整音後テールの加工
テール側面の加工
テールやすりつけ
テール側面のカットは専用の台が必要だ
かんなで削り落とす、綺麗にカットするのが目的だ
NO600のシャンク付け
はしりねじれをとる
ハンマーヘッドの植え込み作業
鍵盤を調整、筬にホール調整もかねて入れていきます
ジャックとローラーあわせ作業
ダンパーヘッドもきれいにクリーニング
松野氏も参戦
バックチェックのくわえをよくするためにテールに刻みこみを入れます
ダンパーフェルトのカットとダンパーヘッドに平接着
ダンパーヘッド取り付け総上げ調整
ダンパー調整
傷で曇ってしまっているNO600の譜面台
外装クリーニング相当傷があちこち付いてしまっていますが
何とかきれいになりました