フクヤマ&サンズ  外装〜中身もろもろオーバーホール市川市S様
1960年製50年前のフクヤマのピアノ
もう既にボロボロ、しかしよきものは直るわけで、ここまでボロボロになると直ったときの感動はひとしおです
鍵盤の足にはなにやらなにをつけたのか
しみが・・・
下前パネルがあかない!
50年前のミュージックワイアーはすでに鉄の針金と化す
なぜかハンマーが折れまくっている
修理に戻る
年数経過により
こういうツキイタ部分、木の貼り合わせ部分が剥がれることしばしば
とにかくクロス〜フェルトにいたるまでほとんど使えるものはありません
左)変色した響板、ここはピアノの心臓部
しっかりとした修理が必要だ
ビスもさび付きまわりません
フクヤマピアノもここでOHをすれば
また50年は持ちますね
、次は私たちも誰一人生きている人間はいなさそうです。
ピアピット撒きストーブ
当然ビス類もサビサビにて
新品に交換されていきます
物作り、修理、OH、などは誰かに見てもらうことで、やりがいが生まれてくる
ここはいろんなOBが顔を出し、所先輩方がぶらりと遊びに来る
いろんな先輩からさまざまな意見を伺える絶好の機会になる人と人との交流の場になる。ピアピットのルールを自分達の手で作り上げることも、お互い実はその人間を
尊重しているから、である、私たちは
ピアノ修理に伴い先輩方の意見、今まで勉強してきた本、実技もとても重要な
所だが、何より自分達をスキルアップさせる、アイディア、発想、想像が非常に重要な鍵になっているからです。

貼りゴマを使い接着
古く硬化、もしくは虫食いのブッシングクロスを交換します
ブッシングクロスは国産とレンナー(ドイツ製)があるが
圧倒的にレンナーのクロスはいい、しっかり目生地が織り込まれているために、国産のようにボヤボヤしていない
なんと親板がはがれかかっている
危ない!、側面の板だ、剥がれれば当然転倒する、間一髪!!
出てきました〜
この響板、やはり張力を緩め弦を外すと、響板われが発生してる
弦が載っているときは圧により割れは押さえ込まれていて筋しか見えないが
弦張力を緩めるとぼわーんと開いてくるのだ
先ず錆び付いたビスを外す、回す、のが一苦労
ブッシングクロス交換、通常ヤマハとかカワイのピアノのブッシングと比べ
かなり薄いものが使われている
、そのために部品を取り寄せて、張替えをします
フレームをおろす準備
全てのフレームボルトが抜かれました、これから200キロもあるこの鉄骨をおろします
若い衆が集められました。!!!???
指を挟んだら、終わりですよ〜
200キロに耐えられる指はこの世に存在しません
なんという重さだ!今までの中で一番重いUPの鉄コツだな
昔、マゼランはこの航路を通ったのじゃ、ここ、喜望峰じゃよ。
これはエジプトのピラミッドじゃ。
そしてナイル川の西側に面しているのが王の谷じゃ〜〜〜



・・・・・・・ほんとかよ
音のブラックホール響板割れ発見!!
この谷間にいかなる音も吸い込まれ鳴らなくなるのです。デンジャラスな割れだ、日本を縦断している
活断層とも呼ばれる
そうなんだ
鉄の扉で封印されていた
響板、遂に50年後に再発掘
フクヤマの心臓部
このしみそ下にさらにスプルースが存在する
響板に1960年10月16日
駒にはその3日前の印が・・・・・・
日本
ロシア
中国
ハワイ
アメリカ
    
オーストラリア
今度は裏側、響板割れは裏側にも発生このとき
表のみを埋めると後に、また埋めた近くが割れる
このピアノの復元はここからですね〜〜〜
隠し扉の向こうまでひび割れがああああ
鍵盤せっせとブッシング貼り
助響棒も外します、この部品は何のために付いているのか?、この部品の下は響板挟んで駒に当たる所
恐らく響かせるように工夫したのか、これではミュートになってしまっている
この当時の響板の造りはなんと凸凹を組合す方式だ
現在でいえばフローリングと同じつくりをしていることが判明
こう見るとほとんどピアノの原型をとどめていない
徹底的に直さないと気がすまないマニアなヤカラだ
この部品はいらん、こんなのついているから響かないのだ
裏側からの響板修理
修理に戻る
こちらの絵はフクヤマピアノに関係ない写真です
塗装に挑戦している野崎さん、・・・・・・・・マスクそれじゃないでしょ!!死ぬよ
そのマスクは危険極まりない
有毒ブシツをすっている
響棒ハガレ
それは花粉用ますくじゃあないかい??
とにかく家の修復、復元に近い
響棒がハガレ反り返っているのだ、響板のこっち面と裏側面を強力に接着しなければならないのだ
響棒から向こうにドリルで貫通させ中に鉄棒を通らせワッシャーとナットにて向こうとこっちでがっちり圧着
で、その後この金属を抜き、スプルースで穴を完璧に埋木をする、
こういうピアノを直していると予想外の出来事修理がわいてくるものだ
基本にしっかり戻る、のが大切なのだ
一番やってはいけないのがヤッツケ仕事、これは後々大きなトラブルを呼ぶ

響板~響棒が割れていたり剥がれていたりするにもかかわらず
新品の弦を張ってしまった・・・・・・・・もうどうしようもない
以外に多いほかでのヤッツケ修理の尻拭いを頼まれるケース年毎に多くなるのは
ほんとかんべんして欲しい、弦の上からは響板には手を差し込むことは出来ない、
ベースを徹底的に直す、そうすればまた50年はOK,
床下を直しているようだ
職人は刃物が命、たま〜に研ぐ、たまにだよタマニ
完全にピアピットが溶剤のにおいで充満
みんなーマスクをしないと死ぬよ
響棒のその後の処置
このパーツも上ではいらない!と書いたが
ノーマル状態に戻すということで完全に新品時のように戻すことが
私たちの使命
もう一度造りなおす
鉄の棒を抜いた後しっかりウメキをする
修理に戻る
今回ドカドカ響板のビス止めされているのを、なんとか響かせるようにならないか、ということで
ビス止めはやめウメキ型に改造。結果は金属でバチンととめてある響板より鳴りは良くなるという理論
まさにマニアックな世界に突入
駒部分も。磨き上げる
古いニスを落とした後響板表面をサンディング、綺麗にきじ目にそって
さらに削り磨きを入れていきます
ペーパー番手をさらに細かく仕上げ
この作業でも綺麗な響板を作り出す上で大切な所
ピアノオーバーホール、ここからの作業が基本だ、弦を張ればOKというような直しはNG
響板のヘタリは響きに大きく影響する。どんなにいい響板にいい弦を張っても響いた自体がへたっていれば
無意味な修理になってしまう、それと各修理の出来上がりの綺麗さ、は完成度の高さを表します、これらは素人が見ても判断できる所です
直しが綺麗か汚いか、そういうところにも実に細かい気を使う所に職人の魂がこめられています
フクヤマのデカールそっくり造りなおし
そうです、昔のままのロゴで
ピン板裏側の修理
家で言えば床下の補強だ。こういうところをしっかりと直すことにより
また50年の寿命が与えられるのです。うわづらだけの修理は、後に大きなトラブルを
呼ぶ。年数が経てば接着材は完全に劣化する、古民家を直すことと同じだ
実は姫路城の復元に際しあの天守閣まで届く柱を7年も探し続けた、という話。木曽で見つかり
切り出す際に真っ二つに折れた、あきらめかけていた時にそれを継ぎ、元どうりに強度
もさらにあがり、真っ二つ大木を継ぎその大木が姫路城を支えている、という話を聞いて
びっくりした。柱をつなぐ技術というのは今の技術ではなく昔ながらの組みこみ方式だというのもさらに驚かされた、接着剤は使わず柱の重さを利用し
さらに丈夫に1本の柱になるという組み込み、それを継いだのは大きな企業ではなく、いち大工さんだった
私はそういう昔の施工方法に驚かされるばかりで、大工さんをリスペクトしている

この仕事していなかったら宮大工になっていたかもしれない。
神社仏閣を建立すること、恐らくすばらしい造りになっているに違いない、
手を抜けないでしょうね、神様の家ですから。バチが当たるのが怖いからね
おっと〜ピアノフレームの塗装が始まった〜
フレームに付いたわずかなさびもこのときに綺麗に削除
します。
次に響板塗装だ
きじ目を整えた後拭き付け塗装を施す、
綺麗に他に塗料が付かないようにマスキング
ピアピットでは急な塗装修理に対応すべく
体制を整えている、
下塗り塗装さらに研磨、デカールをはる
オリジナルフクヤマを完全にリファインだ
底板、完全にボロボロ、これを治すこと思えば新たに造りなおしたほうが吉
フクヤマピアノデカール復刻版!!
一度フレームを乗せますそしてボルトを締め弦圧のチェック、そしてまたフレームをおろします、げんあつの無いところを出すべくカンナで決めた寸法を取り去りげんあつを出していきます、
フレームが乗るまで今までかかりました
修理、は正確かつ完璧に
張り替えられる弦はドイツのレスロー社の弦だ
抜群の鋼製を持ちピアノ業界でNO1の実績をもつ
プレッシャーバー取り付け、ネジも長く細い、蝋ですべりを良くしてねじ込んでいく
サビ止めの効果もあるのだ
以外に美味いトマトサイダー
どうもトヤサンは苦手らしいですね〜〜〜
腐って割れた底板の造りなおし作業です
新しい木材で元の寸法どおり加工して造りなおす
フクヤマピアノのペダル軸受けの木
腐ってぼそぼそになってしまっている
この部分にはバネの反発力
がものすごい力で加わるために
このまま取り付けると、いつかドカーン
と破裂する可能性大
ぶなの木で造りなおし
いよっ大工の棟梁あさからカンナがけかい!
せいがでるねええ!
立て付けの悪いモンはダメだ、丈夫でなくてはならない、ピアノの床張り
ここからペダルアッセンブリの取り付け位置を測定
その間あまりにも外装が艶もないので、磨こうと思ったが
到底艶はでないと思い塗装してしまえ〜と塗装
天秤軸ウケ、これらも虫に食われてしまっています
ピアノ本体は一段落、今度はアクション(運動部)の所
これまた大変なのだ、部品を全てレールからいったん取外します
どのピアノもそうだがこのぐらい年数が経つと
こういう木にネジきりで埋め込まれている部品のほとんどは
木部に埋まっている部分がさび付き
回すとぽきぽき折れてしまいます
アクションを支えている所の
ビスもこのようにさび付いてしまっています
このようにやはりぽきぽき折れる
レギュレティングレールから新品に交換されます
これを直すという案もあったのですが、そのほうがめんどくさいので
新品にこうかんします
その間にちょいと腕木の塗装
ばらされたアクション
ペダル天秤軸部分の製作。軸になる部分の鉄の棒がすっかりさび付き
軸として5寸釘を使うことに
5寸釘を加工しねじ切りをつける、そして正確に曲げる
そうするとロッドになる、
穴も5寸釘用に開けなおすのだ
左)5寸釘で作ったロッド、何でも作るピアピット
ピアノのパーツをさらに細かくばらしていきます
部品をバラバラに、ピアノの接着剤は膠が使用されている、膠の特徴は例えば木と皮を接着
強靭な接着力だ、今で言えばアロンアルファ、大きく違う所は熱を加えることにより、木部皮部をいためることなく剥がすことが出来る、アロンアルファではそうは行かない、
ということはピアノは全てメンテが効くように接着されているということだ、ほんの小さな部品1個
交換できるように作られている、現在のピアノはそうは行かない、接着剤がいかなるものまで強靭に
接着されているために、熱を加えたところでハガレもしない、そうなるとアッセンブリ丸ごと交換となる
いざ手を加えようとしたときにやはり昔のものはいくらでも手を入れることが出来る、
わずかなパーツひとつ取り替えられるのだ

しかし作業する上で剥がして元どうりに分解してもう一度組み上げていく、より新品のアッセンブリをただ規格に合わせて取り付けていくほうが楽なことはらくだ、しかしそれでは面白くもなんともない昔の部品と変えないものはしょうがないとして
使えるものは完璧に再現する、ダメなものは復元する、ここが職人としてとても面白い所、
剥がしたレバークロスの膠部分をさらに
削り取る
各部ぱーつをとめているビスも磨きます
ダンパーワイアーの磨き
ダンパーレバークロスの交換作業
ダンパーヘッドも一度古いフェルトも
綺麗に削除します
アッセンブリを丸ごと交換のほうが早いがそこはレトロにこだわる
古い部品を再生する所にオモシロさがありはまるのだ
新品のレギュレティングレールに穴を開けなおし1個1個レギュレティングボタン〜スクリューを取り付けていきます
こちらはダンパーのオーバーホール
虫食いのキーバックレールクロス
貼りかえられたキーバックレールクロス
虫食いの鍵盤下位置にあるフロントパンチングクロスとバランスパンチングクロス
古いレギュレティングレールと
新品のレギュレティングレール
低気圧通過で波が上がった飯岡海岸
寒い冷たいしびれる〜ナベサン
やはり見栄えも大切だ、無理いって福多氏に塗装を頼み込む
びしびしの割れは目立たなくなった
遂に棚板がつきました〜ピアノっぽくなってきました
ピアノオーバーホール、ピアノのノーマルな状態とは誰が弾いても不具合を感じないように、基本的には演奏時快適性をメインに、そこに操作性
安定性などの性能を取り入れた設定となっている。つまりそれは万人ウケの性能ということだ、この性能精度こそ高くしなければ当然快適性は産まれないのだ、メーカー出荷時に先ず戻すということが第一に求められる、それからさらに一味違う味付けを施す、ここがかなりレベル的に高い技術を要求されてくる、ダンパー位置、ハンマー打弦位置、鍵盤位置アクション位置、全ての位置関係が正確に出来てこそ、一味違うチューニングとしてのベースとなるわけだ、ピアピット修理ノウハウがあるからこその性能向上を日夜目指します。そこがピアピットの得意分野、イコール、ピアノを修理する意義となる、目的意識をハッキリ持っていればノーマルでは味わえないほどの音色快適性が得られるのだ、
そのために大工のような作業が延々と施される、きっとこのピアノにはそれ以上の思いが込められているのは確かだ、
出来上がりが楽しみだ。
フクヤマピアノの象牙漂白作業
口棒のツキイタハガレ修理
アクションボルトの磨き
アクションのべースが入りました
ハンマーレールも新品に交換します
バット〜フレンジの交換
ハンマー植え込み、
植え込み前にハンマー位置高さの調整、パンチングを使い微調整をしていきます
バットの走り、ねじれを拾います
ウイッペンのヒール部分のクロスの交換
切れなくなった刃物は研ぐ、これ職人の常識ですね
アクションをひっくり返しての作業
パネルも出来上がりつけるだけ、
アクションのオーバーホールも終了これから細かい調整に入ります
遂に完成です
今に蘇ったフクヤマピアノ
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