ディアパソン132
ピアノ修理オーバーホール      東京都A様
ディパ132入荷しました、義治氏細部を点検
50年近くたっているディアパソンだ、この当時から既に132の規格はほとんどこの頃から大橋を引き継ぎ
大橋モデルの引継ぎだけの機種、だから大橋となんら変わらないところがあります
弦~ピン関係はさすがに寿命〜〜早々に弦の張力を均等にユックリ緩めていく
強烈な残音があったのか
バス弦にフェルトがかまされている
アクションボルトの寸法をチェック
棚板~分解作業
プレッシャーバーのビスもさび付いています
ブライドルテープも取ろうとすればぼろぼろと崩れ千切れてしまう
ディアパソンアイボリー鍵盤
当時ディアパソンだけが真っ白なアクリル鍵盤のほかにアイボリー鍵盤を装備、今でも新品部品で供給はある
黄ばんで見えるのが特徴
弦ピンを全てはずしたディアパソン132
これからフレームボルトをはずしフレームを上げます
響板むき出しにします
分解途中でなんと親いたはがれを発見
側面の板だ、この板が剥がれ落ちるとピアノは倒れる
ドライバーがはいるくらいはがれています
足を全てはずします
フレームボルトをゆるめていきます
フレームを上げます
響板は状態OK、割れ、もなく良好
ピン板も割れていない、他のメーカーでは大抵割れているピン板、
修理にもどる
親板が何とひいたらバコンと簡単に取れた
わずかの接着剤のみでくっついていた、一瞬びびった
幸いみんながいたので押さえたが・・・・・・危ない危ない
ペダルのビスが回らない
ペダル磨き
底板のカビしみも綺麗に削除したいのだ
義治氏マスクをしてください〜〜
錆びたペダル
取れた!!!びっくり〜〜〜〜こいた
入荷直後の音はまるでイケテイナイ
湿った感じの伸びもなく張りもなくただポワーンと鳴り響くのみ
さっぱり感じてこないのも弦質の劣化から来ている
バス弦もこもりすぎ、アフタービフォーが大きく変わる楽しみもある
ピアノの寿命という判別
弾き手がこれではダメだ!というパターンと
快適ではなく支障だらけの状態、または
音伸びの劣化、弾きにくさ、等様々な要素が一気に吹き出るとき完全にご苦労様でした状態かと思う

その次に何を考えるかといえば買い替え!
直す!という感覚はネットの影響もあり最近浸透し始めた、昔から直すという修理は存在していたがほとんど知られていなかったのが現状だ

本当によみがえる瞬間は背筋がぞぞ〜〜〜っとするので楽しみにしていてもらいたい
親板側面の修理
ピアノの側面断面をそうは見た人はいない
響板にすを落とします
研ぎ出したらマスキング
あなたなにしてるか!
おなかがつかえてしゃがめないのは明らかに運動不足
いい技術を持っているのにこの格好はいけてない
クランプを使い強固に圧着接着
アメリカ製タイトボンドがとても強力建築用接着剤を使います
響板塗装
向かって右側もこのようにぐっとひくとポコンと外れてしまいました
右側も怪しい〜〜〜〜
通常は引っ張ろうが何しようが絶対にはがれることのない場所しかし経年変化により接着剤は劣化当然このようにどのピアノもなっている
ピアピットでは良くあることなので驚きはしないが
外回りの調律師さんは見て唖然とする
今度は2度と取れぬように強力な接着剤で接着、接着剤は
年々進化し続けている、ちょいと前まではアロンアルファなど存在してなかった
今ではどのコンビにでもアロンを買うことが出来る
強烈な接着を見せるアロンだが衝撃にはもろいのだ、
ピアノにはそれようの強力な接着剤がTPOに合わせて今ではチョイスできるところがわれわれ修理人にとってはうれしい
ディアパソン132フレーム塗装
綺麗になったフレーム
乾いたら本体へフレームを納めます
UPとはいえ相当な重量のフレームみんなの手が必要だ
フレームボルト
チューニングピンブッシュの打ち込み
再度確認のために弦圧のチェック
ピアノオーバーホールは「チューニング=快適性」の図式は「快適性=いい音とタッチ」
という図式につながる徹底的にセッティングしているこのピアノは
音色のUPだけを目的にチューニングした仕様とは明らかに違い弾き手の技量がそのまま音色タッチに反映される「弾いていて楽しい」仕様として造りこまれている
より愛着度が増してくれることを祈りつつ細部にわたり見逃すことなく徹底的に
チューニングされていく
ヒッチピン圧着
アクションボルト
ディアパソンのアクションボルト
このボルトも磨くと綺麗になります
ドイツのレスロー弦が張りこまれたディパソン132音鳴りは保証つきの弦だ、世界中で認められているレスロー社のミュージックワイアー、こういう弦はまだ日本では作れる会社はない
ミュージックワイアーのレベルは全てのピアノに合うように硬質な金属と何かを混ぜて作るらしいがそこらあたりはシークレットだ
ダンパーフェルトの交換作業ディアパソン132
弦の交換作業とダンパー交換はセットと考えてよい
新品弦の振動を止めるのは古いダンパーのフェルトでは止まらない
新品のハンマーヘッド、第一整音開始
新品ハンマーヘッド
ただハンマーを好感すればいいというものではない
それをじっくりといじりこめるかが調律師としての技量を測るポイントだ
つまり整音がしっかり出来るか出来ないかの大きさは天と地ほどの差が生まれる
熟練の職人が造りこむハンマーはそれはそれはいい音になる。
ピアノクリーニング、綺麗になればOKというわけではなく、長年わたる仕様消耗部品をしっかり取り替えてあげることによりもう一度よみがえるのもピアノだ
オーバーホールとクリーニングの違いは、クリーニングだけではどうしようもないくらい年数の経過、さび、部品の欠損、磨耗がひどい場合適応される、クリーニングでは元の状態まで到底戻らないと判断した場合だ、でもほとんどのお客様は幼少時代にピアノが与えられ中学高校までやったが、それ以降〜そのまんま、というケースがほとんど、女の子はお嫁に出てしまう
そのため次に必要とされるのはそのお子様がほとんど、実家から担ぎ出してくるケースが
98%、その時クリーニングで済むのかオーバーホールが必要になるのかは
その時の状態で大きく分かれる。クリーニングで生き返るかオーバーホールで生き返るか
値段も大きく変わってしまうのだが基本的にピアノは元に戻ると思っていてもOK
きっとこのディアパソンもあと50年後にはオーバーホールが来るだろう
ぜひとも末まで残してあげたいピアノだ。何代も使ってもらえたらいいなあ
ピアピットの発表会も無事に終了
打ち上げ
ダンパーフェルトのカット
弦圧のチェック。この弦圧調整はとても重要なところ
修理名人ヨッチャン
今までどれだけのピアノを修理したかわからない
データノウハウはこの坊主の頭の中に蓄積されている
ピアノ修理ダンパー編
レスロー弦のパッケージ(ドイツ製)
細かい作業が延々と続いていく
音上げの作業が始まりました
ディアパソンはこの当時から鍵盤にアイボリー鍵盤を採用していた
真っ白ではなくやや黄色がかった鍵盤だ、今でも新品で健在の部品のひとつだ
このピアノの場合本当に初期モデルのセル系の鍵盤が付いている
セル系の接着がややはがれ始めている
バランスキーピンもさび発生
新品に交換します
全部ではないので部分錆びのひどいところのみ
ディアパソン132精密な整調開始バランスパンチングを交換しながらのd作業です
整音作業も終わりいよいよ最終作業に突入
ブッシング交換
はりのある音色が戻る
音量はぐんとあがりレスポンスもご機嫌だ