ヤマハNO2    製造番号9317(大正13年~15年)   新潟県Y様   修理
入荷しました、確かにふるいものですね、久々に見ました
ピアピットでもありましたが、直すどころのものではなくほっておいたんですが、修理でお預かりしたお客様のピアノに外装を移植、
これがまた見事にかっこよく決まりました、カスタマイズ(塗装)の所でみれます、
大正時代確かにレトロ感と高級感同時に持ち合わせていますね、
象牙欠損       しし足がたまらないですね(ジャポンっていう感じ)
当時は印刷という技術より手書きという技術がもてはやられたんでしょう
この鍵穴は最高です、刀のつばのようなまた、ばあちゃん家のたんすの鍵穴みたいな
プレッシャーバーは足台つき
かっこいいすね、この文字とアクション
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今日はいい天気だったために象牙の漂白
過酸化水素水をさらに薄めて使います
強い薬を使うと象牙じたいをいためますので
何度も繰り返し丸一日かけて漂白します
きれいになった象牙
歯抜けていた象牙は模様をあわせ象牙をつけます
2日目更にもう一台同時に漂白始まる
修理に戻る
さあ、いよいよ本格的なバラシにはいります
データをすべて記入終了、
各セクションの弦圧等も細かくチェック
錆びて回らないボルトも何とかまわす!!
ピン板等のわれも無く良好
フレームも再塗装します
この手書きの文字をデカールに加工印刷
まったく同じ文字でフレームにはいります
ペダル軸も錆び錆び
先ず目につく小さな物も見逃さず
磨き上げていきます
ペダル底板再塗装
外装はがし、これは毎度きつい仕事でなべさん担当
これかっこいい鍵穴、これらも一度取外しクリーニングします
粉塵吸いすぎ気分悪くなったらしく本日ここまで、
だからマスクしろ!といったんだ・・・・あほなべ
鍵盤系も徐々にきれいさを取り戻していきます
ヤマハの足「獅子足」という形です
この形は神社、お寺の張り等に使われています
これはヨーロッパにはありません日本の文化ですね
獅子・・守り神、強い、精悍な
確かに参道両脇には獅子がありますね
ふるい塗装はしっかり取らないと
再塗装は出来ません
よくこの上からペーパー当てて再塗装されているピアノがあったりしますが、そのうち
上に塗られた塗装までもが下の古い塗装の侵食によりひび割れを生じます、
古い塗装の下はこのようにきれいな木目が現れるんです
ぜひこの木目を活かしたいものです
さあ〜〜〜〜〜なべさーん、お待たせいたしましたぁ〜
外装剥がしてくださーい
これはきついね、毎度毛穴までほこりが入るね
これからまだ響板ニスを落とし
これも再塗装します、
修理の達人ヨッチャン
細かいパーツも磨きなおします
響板を目止めまできれいに落とし新たに目止にすを塗ります
フレームのロゴも印刷により完璧に再生
響板塗装準備
こういう字体は貴重なためにヤマハ当初の意気込みが感じられるのです、名前は力が入りますので尊重しなければなりません
響板乾いたらまたペーパーあてをします
このときの研ぎが大切
研ぐ
蚊がいっぱいいるのよ、さされっぱなし
木目はきれいですね
社長のリムジンを掃除するカニヤンとカメヤン
掃除せい!と二人に怒られる社長・・・・・・。。軽じゃんか
さらに細かい番手で下地を整えます
アクション手直しされ始めました
外装した塗り色付き始まりました
この下地の色により気品が出るか出ないかが大きく変わります、
このときの色の配合は出来上がり時の色を見越して塗装するため
フクチャンしか解らないんです
さてドンナ色になっていくのか楽しみです
ハンマーは新品に交換するのではなくファイリングで行きたいと思います
このハンマーが大正時代の音が収縮されていると判断、ハンマー交換は新潟でも出来るために、これで音を出したい
となべさんが言うのでその仕様で行きますね
ダンパーフェルト交換
アッセンブリごと交換のほうが早いと思いましたが、部品は生かすということで
1個1個チマチマ交換します
フェルトのカット、場所によりさまざまな厚さのフェルトが与えられているために、たんすの中から同じ厚さのフェルトを取り出しカットします
左、写真、TOPがつぶれてしまっています
右が整形後、ハンマーは今のハンマーのほうが造りはいいですが、当時のまま使ってみたい
ため、今回はファイリングでいきます
ハンマーもきれいにした後、ハンマー側面にナンバリング打って行きます
鍵盤座板がほとんど膠切れでぽろぽろ・・・・・・・・またの名をカマボコ
フレンジコード交換
フレンジコードも切れ掛かってます
センターレールにひび
ジャックフレンジも膠切れでポロリと落ちます。
バットフレンジもぽきぽき
ということはダンパーレバースプリングも・・・・・・・
外装、さらにまたペーパーあて
ブッシングクロスも交換
せんたーピンもすべて抜き去ります
クロス系はレンナー(ドイツ製)が安心、国産はなぜか毛羽立ち
いまいち、
黒鍵のブッシングクロス張替え
ところどころカマボコが膠切れ、それなら全部はずしてしまえということで
すべてのカマボコをはずしブッシングクロスの張替えを進めていきます
鍵盤系の修理
こちらはセンターピンの交換作業
プレートが無くバットに差し込まれているために、これまためんどう
88フレンジ1個1個ニードルしてから新しいセンターピンを打ち込んでいきます
バランス部分のブッシング張り
今なべさんがジャックスプリングあたりの
クリーニングと膠きれを調べてます

磨き倒したジャックスプリング、やはり数々の膠切れ発生
ブライドル・・・・・・・テープ・・・・・・・・云々はわかるが
バットスプリング死亡・・・・・って言いすぎです
レギュレティングボタンのクロスも交換です
地味な所ですが評価して欲しいとなべさん
泣きつく
ダンパー造り。ほとんど内職のような仕事で細かい
なべさんずっと塗装はがしがつづく、地味で忍耐の要る作業です
福多(フクチャン)が色をさし始めた、
下の木目を生かしこげ茶っぽいんだけどシックな感じになりはじめました
「ブラウンマットサンバースト、だけどなずけて、醤油サンバーストだ、
じみだよ!チャンと塗装落とさないと
ぬれないからね、俺の役割でかいよ
と自ら
アピール
角度によっては木目がきらりと光る、
バットスプリング交換
バットスプリングをとめているコードを抜く時が要注意、カッターでスプリングの中を通っているコードを切断
ラジオペンチで抜く、次が重要なポイントです、木の中に残ったクロスをポンチで抜きますが
ふるいバツトなどはこの丸い部分がポンチの衝撃で割れてしまいます、
木口をマルク削り当てながらポンチを使うと、あのガチャっと抜くセンターピン抜きで抜いても
割れません、ここは割れたら大変なのよ〜〜
あとがめんどうなのよー
がちゃん・・・・と
ほれ。うまくいきました
本体にフレームが乗りました
ぼるとを締め弦圧のチェック、
手書きの部分も完全にそのままの字体
です
チューニングピンは当時結構太いピンが打ち込まれていました、番手を上げないといけません、7.25でもややゆるという感じです、
今日も塗装はがし、
塗装専門のフクチャン、色艶、塗りには特にうるさい
みるだけで塗装膜の厚さを当てる妙技を持つ。
絶妙なサンバーストを入れる、正確に細かくキレイに入れる
サンバーストの幅は形デザインによってさまざまだ、
なべさんが絵を描く人で、特にうるさい、色の濃さ。太さ。幅広がりもすべて計算されている
この方はチェンバロ、にも精通している島田さん
今日はGPのダンパーの調整にやってきた、ベテラン女性調律師だ
とうもろこし、とうもろこし、もろこし
テレビを見てるんじゃない、手を動かせ、なべさん
数時間で完璧にはりおえる、
毎日2台は弦張ってたし、なれじゃ、豆が出来ている手は
宝物かも
早く音出したいですね
象牙漂白後バフガケ
外装カスタマイズカラー
「醤油サンバースト」
これが付いたとたんピアピットが大騒ぎ
産まれて初めて千疋屋をくうやからばかりでして、早くなべさん帰ってこさせろと、
山梨県に行っているなべさんにすぐに帰れ、の
だしんを送り、大騒ぎだ、
ありがとうございます、もったいなくて冷蔵庫
から出してはちびちび美味しくいただいています、返ってきたなべさんも「すげー果物も食べたことないです、話にはいっぱい聞くが46年間
1度も食べたこと無いらしく。

なべさんは農家の小作人の長男として生まれ育ち、バアチャンにきゅうりが丸くなるとメロンになる、と教え込まれたらしく、今年もメロンできんかったで、と小学校時代本気にしていたらしい、「何でうちのきゅうり丸くならんのか」
とバアチャンに言うと、「あと5年経てば丸くなる」といわれ毎日きゅうりに水撒きに没頭、バアチャンにだまされた
と気づいた時には8年も歳月が流れ、
メロンはメロンの苗がある、と聞かされたときには
泣けてきた、ほんとにうちのババア殺したろか、と小学校
の時に思ったらしく、
本当に田舎者だったから信じてたらしい、
ゆがんだ幼少期を送ったらしい、
しかし笑える、

バランスピン磨き
左磨かれていないバランスキーピン、とフロントキーピン
この年代はまだプレートが付いていないタイプで、センターピンの交換が大変なのです
バットスプリング交換
最後に調整しないといけません
でもまだ先
黒鍵側面のはげを塗り直します
磨かれたバランスキーピンとフロントキーピン
パンチングクロスも今のパンチングクロスを使います
バランスクロスパンチングも新品
なべさんがこきあげ中に弦を切りました、
すかさずカメヤンが貼りたいと申し出、タイムを図りながら張弦

なにもタイムを計らなくてもさー
プレッシャーバーのビスがやや緩め
よってウメキを施しもう一度締めこみます
なべさん老眼鏡買えば????んん?
パネル角窓の塗装はがし
こちら、現役のヤマハベテラン調律師
遂に下着姿で塗装おとし参戦
この部分のネジだけはどうしてもねじ山が崩れ、新しい物に
ジャックのセンターピンを交換、
これも1本1本手作業です、ジャック系は以外と重要な動きをします、これを新しく交換することにより、格段にレスポンスが早くなります
レギュレティングのボタンのクロスも新品に交換
磨かれたアクションボルト
ブライドルテープの交換
遂に壊れたか。なべさんのジープ
ハンマーストップレールクロスも新品に交換
ダンパーがつき始めました
アクションボルトもさらに磨きました
象牙の修理
破損した部分の象牙は中古象牙を使います
それを漂白、接着します
今日入荷したヤマハニシカワのピアノ
戦前物、足のデザイン等微妙に違う
中のアクションは共通だがハンマー形状がやや異なる、基本的に同じボディを持ちます
年数的には同じくらいかも
現代でも相当に人気を博すようなデザイン
下、鍵穴もかっこよし
弦圧も調整され音がでるようになり、
感想は、実にパワーのある音だ、びっくり、恐ろしくなりもよく、GPのようなパワーがある
実によく鳴るピアノです
現在現行のピアノを寄せ付けない音量豊か、これはいいです音伸びが実にいい、綺麗な音保証します
ピアノ本来の良い時代(部材が豊富にある)
の国産ピアノ、でも極上の造りの部類に入る
当然材はこだわる時代でもあり
出来上がったものはコスト度返しした
逸品に生まれ変わる、ということか

今のピアノはコストをどこまで落として、、、
という観点とまったく逆の発想なため
すばらしい物が出来るのは当然といえば当然かもしれない、その分金額にも跳ね返り
実に高価なぜいたく品だったに違いない
こう見るとデザイン的にも新鮮だ
NEWモデルといっても通用するかっこよさだ
大正時代のヤマハとも思えない
細かいチェックからサンバースト塗装
野々村氏なべさんの友達で雑貨屋さんの社長
東京音大ピアノ科卒業している、腕は凄い北海道のソナタとかいっているが、意味はわからない、が
ピアノはうまい独身だ、理想の女性は、チェ。ジウ
そんな女性周りで見たこともない!永遠にめぐり逢うこともないだろう
野々村さんチョットバカシ理想を下げてみたら世界は広がる
・・・・・・・・・とは言えんか
大正時代の山葉のピアノ造りは見れるものなら見てみたい、気迫とど根性がこめられている、すばらしい
ピアピットでもこういうピアノが手に入れば嬉しいが
関東では難しいのかな、いよいよ最終仕上げと来ています。5日〜6日で完成、出来あがった様は以外と見れる期間が少ないんです、出来上がると出荷されてしまうために
いつも写真で楽しんでるかな、「ええな〜ええぴあのだに
」と遠州弁がでる、なべさんにとっては同じ浜松人作ということで嬉しかろう、  オーナーさんはぜひ代々受け継いでもらいたいものです、日本の音楽楽器の宝だからです
現存していても博物館にある、ではピアノではなく展示品
それではピアノ本来の用途ではなくなってしまいます
使ってからこそ生きる逸品です
譜面台をつければ完成!
ヤマハNo2大正13年製
黒いピアノの外装をはくり木目を生かし2007年製のピアノに
音色当時のままなんでしょうね、
前パネルも絶品な木目、いや〜欲しくなりました